TOP1.資 材2)資材の調査方法と価格の決定
最終更新日 : 2025/02/20

2)資材の調査方法と価格の決定

(1)調査方法

当会では,ISO9001の品質マネジメントシステムにより,「資材価格調査基準」を定め,これに基づいて調査を実施しています。
具体的には,売り手側であるメーカー,商社,問屋,特約店等の調査対象者を調査員が訪問して行う「面接調査」及び電話で聞き取りを行う「電話調査」を基本とし,郵便・E?Mail(メール)等による「通信調査」を併用しています。

また,調査は資材ごとにそれらの取引実態に合った効率的な方法で行っています。例えば,1品目で多くの規格がある資材については当該品目を代表する「ベースサイズ」の価格を調査し,その他の規格の価格は規格間格差により把握しています。
また,メーカー等が発表する価格表があれば,これに対する掛け率を調査するなどの手法も採用しています。

なお,実勢価格の継続的な把握が困難な資材については,メーカーが発表している価格を通信調査等により定期的に確認し,「公表価格」としてそのまま掲載しています。

(2)調査対象者

調査対象者は,メーカー,商社,問屋,特約店等を母集団とし,その中から信頼度の高い業者を選定しています。
また,調査対象者は,当会の調査目的をよく理解し,当会との間に信頼関係が保たれていることが重要なため,原則として固定しています。
なお,必要に応じて購入者側である工事業者に対する調査も行い,売り手側,買い手側の調査結果を比較して調査価格の妥当性を確認しています。

(3)調査期間

調査は月間を通して計画的に行っています。
毎月10日までに得られた最新の調査結果を,翌月号に掲載しています。

(4)調査頻度

調査は,資材の取引実態及び資材特性に合わせて,以下の頻度で実施しています。

A資材…毎月調査を実施しています。(価格変動が多い資材又は建設工事等における使用頻度が比較的多い資材)

B資材…資材ごとに調査月を定め,年2回調査を実施しています。それ以外の月については,市況動向を監視し,必要に応じて調査を実施しています。(価格変動が少なく,建設工事等における使用頻度が比較的少ない資材)

C資材…年1回,原則として4?6月の間に通信調査を行っています。なお,価格,規格,仕様等の改訂があれば,その都度変更しています。
(実勢価格の継続的な把握が困難な資材[公表価格])

(5)掲載価格の決定

掲載価格は調査結果のなかで最も多かった価格(最頻値)としますが,標本数が少ないなど最頻値の特定ができない場合は,資材の需給及び市況動向,メーカー情報,競合資材の市況動向等を踏まえた総合的な判断に基づき決定しています。

(6)価格の検証・審査

①調査部門の検証
調査結果は,管理職を含めた複数の調査職員が信頼性,妥当性等が確保されているかについて,総合的な観点から検証を行っています。

 ア.調査方法について
  当会の定めるISO9001品質マネジメントシステムと適合し,調査対象者が適切な判断で選定されているか,資材特性に応じた調査により,実態を反映した情報が収集されているか等を検証します。

 イ.調査結果について
  決定された価格が,収集した情報に基づいているか,調査条件に合致しているか,地域間格差、規格間格差,類似品目との整合や,需給動向,原材料価格との関連等について検証します。

②審査部門の審査
調査部門とは独立した審査部門が,異なる立場と視点で調査の信頼性の維持・向上のため,品質マネジメントシステム要求事項への適合状況を継続的に審査しています。
審査の判断材料には,工事業者に対するモニター調査結果及び他の価格情報との比較結果等も参考にしています。

(7)外部の学識経験者,有識者による調査プロセス,調査結果等の審査及び監視

当会では,調査結果等について次のように第三者による審査,監視を行い価格調査結果の信頼性の向上を図っています。
調査方法,調査プロセス及び調査結果等については,大学教授,公認会計士,検査経験者,シンクタンク研究員等有識者を委員とする「評価監視委員会」を設置し,原則として年3回,委員が無作為に抽出した調査結果について評価・監視を行い,その結果不適切或いは改善すべき点があると認められた場合には速やかに改善するとともに,その内容について公表することとしています。
また,外部の有識者で構成する「価格審査会」を設置し,掲載価格について,委員が原則として毎月1回、定期刊行物等の発刊、公開前に客観性,妥当性の審査を行い,信頼性の向上に努めています。